中学受験と英語は両立できる?中受しつつ英語力をほぼ維持した体験談

中学受験と英語の両立

おうち英語実践中の家庭で、子供の年齢が上がってくると出てくる疑問が「中学受験と英語は両立できるのか?」ということではないでしょうか。

今までがんばって続けてきたおうち英語の成果を無駄にしたくない

英語から離れたら英語を忘れるのではないかと不安

英語に熱心なご家庭は中学受験をするケースが多く、このことはよく聞かれます。

結論から言えば、受験と英語をどちらもガチで両立することはかなり難しいです

しかし、我が家の場合は受験に集中しつつも、英語を忘れない工夫をすることで、結果的に英語力を維持することができました。中学入学後の5月に、ほとんど勉強せず英検準2級プラスに合格できたことが、その証明になるのではないでしょうか。

この記事では、中学受験をしながらどのようにして英語力の維持に努めたかを具体的に紹介します。また、中学受験のために一時期英語をお休みしたとしても、英語力を落とさないための方法や実体験、中学受験で英語を忘れる子と忘れない子の違いをお伝えします。

このブログ記事を書いた人
モモシロ
目次

おうち英語の分かれ道 続けるか中学受験か

我が家の上の子が中学受験を終えて中学生となった今、 おうち英語と中学受験について当時を振り返りながら書いています。

子供の中学受験が本格化してきて英語にあまり時間を避けなくなってきたとき、これまで続けてきた英語学習をどのように続けていくか迷いました。

小学生までにおうち英語をしてきて、中学受験をする子の選択肢は3つです。

  • 中受を捨てておうち英語に全振りする
  • 英語を武器にして中学受験に挑む
  • 英語を使わず一般的な中学受験をする

我が家の場合は3つめを選びました。

我が家は中学受験には英語を使いませんでした

ここ数年で、中学受験で英語を使える学校も増えています。受験科目に英語があったり英語を選択できるだけでなく、英検など英語の資格があると加点されたり、英語が満点扱いになるケースなどです。

ただ、我が家の場合は中学受験で英語は一切使いませんでした。「せっかく英語をやってきたのだからできれば英語を武器にしたい」という気持ちも最初はありましたが、希望する学校には英語を使える学校がなかったためです。

そのため、受験勉強をしながら、英語の比重は下げ、最低限の取り組みをすることになりました。

中学受験に英検が必要な場合は5年生までに

英検を持っていると加点があったり、英語試験が免除されるなど、中学受験で英検の結果が必要な場合は、受験が大変になる前に取ってしまう方が楽です。 できれば4年生、遅くても5年生までに。その後は、主要科目に集中しながらも「英語力を証明する資格」を手元に残せます。

とはいえ実力に見合わない級を早めに受けさせることは逆効果なので無理は禁物です。

中学受験のために英検を取るという目的があるならば、まだ時間に余裕のあるうちに英語の力をつけておくことが必要です。おすすめは英語多読のレッスンをしてくれるマジックキーキッズアカデミーです。以下で詳しく紹介しています。

英検専門の塾など、合格するためのテクニックを教えてくれるようなところのほうが「英検を取る」という目的のためには近道かもしれませんので、学年や状況などに応じて選んでください。

中学受験と英語の両立 困難になったのは小6から

我が家の場合、小学校5年生までは英語も、その他の習い事も、塾も続けていました。5年生まではまだ多少は英語に時間を割く余裕がありましたが、塾のカリキュラムが小6年に入った小5の後半からそれが難しくなりました。

中学受験の勉強量は想像以上に多く、塾以外の時間も塾の宿題や、休日は模擬テストや特訓クラスなど、受験関係だけで一日が埋まってしまいます。 そこに英語を今までと同じ比重で加えようとすると、どうしても時間が足りません。

時間が足りないのもそうですし、体力的にも、メンタル的にも負担が大きいと感じました。受験番強で疲れているところを睡眠時間を削ってまでやることではないと、途中から英語の優先順位を下げることにしました。

中学受験と英語の両方全力投球はほぼ無理

「中学受験とおうち英語はどうすれば両立できるのか?」中学受験を控えている 親なら気になると思います。

結論から言うと二兎を追う者は一兎をも得ず。両方に全力で取り組むのはかなり難しいです。むしろ、英語の負担を減らしながら、最低限の接点を残すことで「英語をできるだけ忘れないようにする」ことが大事だというのが私の考えです。

モモシロ

どちらも中途半端にするよりはある時点からは割り切ることも大切です!

私が中学受験とおうち英語の両立が難しいと感じたのは、以下の3つの理由からです。

  • 物理的に時間がない
  • 疲れて集中できない
  • 本人の意識が英語から離れる

物理的に時間が取れない

中学受験の勉強量は想像以上でした。特に小5後半からは毎日予定がぎっしり詰まっています。 そんな中で「英語も30分やろう」とスケジュールに加えるのは現実的ではありません。

毎日、気が付いたら夜遅くなってしまい、英語の時間はなかなか取れませんでした。

疲れて集中力が落ちるから学習の質が下がる

子供は塾から帰宅するとすでにヘトヘトで、そこから英語をやらせても頭に入りません。

私も最初は「せっかくここまで続けてきた英語をやめさせるのはもったいない」と焦りましたが、無理に続けても質が伴わないと実感しました。疲れ切った顔の娘を見て 「この状態で無理に両立させるのは、子供を消耗させるだけ」と気がづきました。

本人の意識が受験に向くから英語の優先度が下がる

受験期になると本人も意識が「受験」に向かい、英語への興味や優先度はどうしても下がります。 無理に英語をやらせると反発が強まります。

モモシロ

差し当たっての英語の必要性がないので英語のモチベーションを維持するのは難しいです。

【要注意!】親が両立を求めすぎると逆効果

親としては「せっかく身に付けた英語を忘れてしまうのではないか?」と心配し、「受験も英語もどちらも頑張ってもらいたい」と願うのは自然なことです。

ただ親の思いで英語もやらせようとすると、学習の質が下がるだけでなく、子供の気持ちが折れてしまうリスクさえあります。余裕がない中、親から英語も押し付けられると、ストレスが増して好きだった英語に対しても嫌悪感を抱くようになってしまいます。

受験期は親が過度に英語を要求してしまわないよう注意が必要です。英語を続けることは子供にとって大きな負担であることを重々認識した上で、できるだけ負担のかからない方法を考えましょう。

我が家の基本戦略:中受に集中しつつ英語の接点を残す

中学受験が佳境に入ったら「英語をいったん休む」という選択は懸命ではあります。でも英語力は維持したいという気持ちもわかります。ここまで英語と中受の両立は慎重に、とお伝えしてきました。しかし、本来おうち英語を続けてきた子にとって、英語は無理にやらされるものでも、お勉強でもなかったはずです。

英語環境に身を置いたり、好きな動画や本などで英語に触れているうちに、自然と身に付いていたもの。

モモシロ

であれば英語を気分転換になる楽しい時間という位置づけにすればいいのです。

中学受験に全振りしつつも、本人の負担にならない英語の時間で英語との接点を持ち続ける。英語は楽しいことだけをやる、というスタンスに切り替えました。

具体的な内容は次の章で説明します。我が家が心掛けたのは以下の3つです。

  • オンラインレッスンはぎりぎりまで継続
  • 自由時間に英語を絡める
  • テスト・暗記・難しいお勉強は封印
  • 習慣化している取り組みは継続(我が家は断念)

できなかったこともありますが、結果的にこれが、親にとっても子供にとっても心が軽くなりました。

オンラインレッスンはぎりぎりまで継続

小3から続けてきた英語のオンラインレッスンはぎりぎりまで継続しました。忙しい中でもオンラインで家から受講でき、継続しやすかったです。

また、担任制でずっとお世話になってきた先生だったため、子どもも負担を感じずに忙しい中でも気分転換として受け続けることができました。最後のほうはこの週2回のレッスンだけが、英語を維持する命綱となりました。

具体的な内容はこの後の章でご説明します。読者さんにマジックキーを受講している方が多く、参考にされたいというリクエストもいただいたため、細かくご紹介いたします。

自由時間に英語を絡める

子供が興味を持っていることと英語をつなげるということは、今までのおうち英語の取り組みでもやってきました(以下参照)。

受験勉強の合間の時間に、英語で好きなことに触れさせられるように工夫しました。我が家の場合は今までそこまで興味を示さなかったハリーポッターに急にハマったので、映画版を英語で見せたりしました。また、Oxford Reading Treeが好きだったため、続編のTime Chroniclesを購入して手に取れるところにタッチペンとセットで置いておきましたが、これは本人の興味が向かず読みませんでした。

テスト・暗記・難しいお勉強は封印

「何をやるか」だけでなく「何をやらないか」を決めることも大切です。

継続していたオンラインレッスンも市販テキストを使ったお勉強っぽい内容はほぼ中断し、お話を読むだけに変更してもらいました。

レッスンは今までやってきた内容よりあえて易しいものにして、本人の負荷を減らしました。受験期は英語を伸ばすのではなく、多少忘れてしまっても完全には忘れないようにしようとハードルをかなり下げました。

英検も2級に挑戦中でしたが途中で中断して、中学以降にまた改めて取り組むことにしました。

そうすることで子供も嫌がらずに続けられました。 中学受験終了後に子供に聞いたら、「英検のために覚えた単語は忘れてしまっていた」と話していましたので、ここで無理に難しい内容をやらせても残っていなかったと思います。

習慣化している取り組みは継続(我が家は断念)

「 毎日5分の音読」など、すでに習慣ができている子は短時間の取り組みはそれほど負担にはなりません。うちの場合は、毎日決まった時間での取り組みは習慣化できていなかったためにこれも断念しました。ORCを使っての音読も、受験後半はまったくできませんでした。できるだけ早いうちに習慣化しておくのがいいですよね。

代わりに朝の登校までの時間、食事の時間など、我が家で続けてきた英語のかけ流しは可能なかぎりできるよう心掛けました。でもこちらも最初だけ。親である私自身も中学受験のもろもろで疲弊しており最後のほうはそこまで気が回らずほぼできませんでした。

モモシロ

毎日決まった時間に音源が流れるかけ流しの自動化を設定していたのですが、それが何かのときに止まってしまってそれ以降放置されました。

我が家の英語学習の実例

それでは、小6以降の我が家の実際の取り組みをご紹介します。この時期までに、日々の英語多読などの取り組みは自然に時間が減っていき、小6の4月の時点では週2回のマジックキーキッズアカデミーの英語多読レッスンのみとなりました(任意参加のグループレッスンも受講なし)。

この週2回のレッスンも、今までの内容から難易度を下げていきました。そして気が乗らないときはレッスンまるまるフリートークでもいいよと本人伝え、先生にもお伝えしてもらったような記憶です。

具体的な内容を以下の図で時系列で示しています(クリックすると拡大します)。

小6の4月まで

メインの多読・音読部分ですが、Oxford Reading Treeでレベル9を終了した後は、同じオックスフォード大学出版局の「Oxford Read and Discover」に入っていました。これは、「Science and Technology」、「Nature」、「Arts and Social Studies」の分野に分かれたノンフィクションの本で、レベルが上がっていくことで難しさを感じるようになっていました。

また、市販のテキストを使った語彙力強化、文法のレッスンは2級レベルを学習していました。

ライティングに関しては、TAGAKIというテキストを使って事前に自分で文章を書いておき、それを先生と確認するものでしたが、事前のライティングが難しくなってきたため小5の後半でレッスンから除外してもらっいました。

余裕がなくなってきた小6の5月~11月

「Read and Discover」が知識を通して英語を学ぶ学術的要素のものだったので、子供に負担になっているようでした。子供にも希望を聞き、小6の5月以降は学びよりも楽しさを重視して、童話が中心の「Classic Tales」に変更しました。「Classic Tales」を終了した後は、一度終了したOxford Reading Treeのレベル9に戻りました。

文法のテキストはレッスンから除外してもらいました。音読のみでいこうか迷いましたが、マジックキーの方と相談して英単語だけは継続することにして、2級をやっていたものを準2級に変更しました(教材も文単から単語のみのパス単に変更)。

レッスンは受けっぱなしです。予習も復習もしていません。

勝負の12月・1月は完全にお休み

受験も佳境になった12月・1月は、レッスンを完全にお休みしました。マジックキーは最長で2か月の休会ができるのでそれを利用しました。

中学受験が終わった2月からゆるく再開

中学受験が終わり、ようやく生活に余裕ができた頃に、我が家では英語学習を少しずつ再開しました。親としてはお休みしてたぶんも取り戻してもらいたいという思いもありましたが、休息もかねてゆっくり慣らしていくことにしました。

内容も休会前のOxford Reading Tree レベル9の中断したところから再開し、終了後Read and Discoverに進みレベル1からじっくり取り組んでいます(現在レベル2)。

春休みは時間の余裕もあったので、これまでに溜めてしまったマジックキーの振替を消化しました。また、春休みの期間だけ並行してQQ Englishの「REMS」という反復トレーニングレッスンも受けました。

子供が先生と話している様子を見て「思うようにうまく言葉が出てこなくなっている」ように感じ、本人も自覚があったようだったので受けてみたのですが、今までとは違うスピード感のあるレスポンスのある返答を求められるレッスンが新鮮だったようです。

これで話す感覚はわりとすぐに戻ってきたようです。

モモシロ

ただ本人は完全には戻っていない気がするとのこと。焦らず英語多読に戻って少しずつ進めていく予定です。

中学生以降の取り組み

中学校生活が始まってからは、体調不安もあったため学校生活に慣れることを第一優先として、相変わらずあまり予習なしの週2回レッスンを維持しています。

部活に入ったこともあり、中学生活は思った以上に忙しく、時間の捻出も引き続き難しい状態です。ただ、英語のモチベーションも戻ってきたようで、ORC(Oxford Reading Treeのアプリ)にも再び自主的に取り組むようになって、ORCでの学習時間は徐々に伸びています。

今後は

  • 単熟語を英検2級にレベルアップ
  • ライティングの再開

をしていく意向です。

MK他の生徒さんの中受&英語両立体験談

マジックキーの運営の岩田さんには、子供と同学年のお嬢さんがいらっしゃいます。同じく中受を経験した体験談を書かれていますのでご参考になさってください。

我が家がとてもじゃないけどできなかった習慣化も難なくクリアし、朝の学習も最後まで継続されています。

ただ共通して言えることは「本人の負担にならないよう英語力の維持」を目指したこと。英語多読をベースにしたこと。

我が家はマジックキーのおかげで英語を手放さずに中受に挑戦で来たと思っております。小3から継続中のマジックキーの内容はこちらをどうぞ。

中学受験を終えて:英語力は維持できた?

中学受験終了後の英語力はどうなった?


中学受験終了後は、「英語をかなり忘れているのでは?」という不安がありました。
正確な英語力は測れないのですが、体感としては正直、少し後退したように感じる部分もありました。しかし、思った以上に英語力は落ちていませんでした

受験後に英語を再開したときも大きなブランクはなく、リスニングや基礎的な語彙力はしっかり残っていました。


中学入学後にほぼノー勉で英検準2プラスに合格

中学入学後に英検準2級プラスに合格

中学入学後に新設された英検準2級プラス(準2級と2級の中間の級)を力試しに受けてみたところ、ほとんど勉強せずに一発合格できました。

モモシロ

ライティングに新しく要約問題が追加になっていたため、要約文は何回か練習しました。

CSEスコアは小学生のときに英検2級に挑戦したときのものとほぼ同じ。それほど大きく英語力は落ちなかったという証明になったのではないかと思います。


フィリピン親子留学でモチベーション復活

中学校入学直後のゴールデンウィークに、フィリピンのDETiに3回目2週間の親子留学をしたことも、英語を元の軌道に乗せるきっかけになりました。それまでは留学先では遊びを交えた体験型のキッズレッスンを受けていましたが、中学生になったので一部マンツーマンのレッスンも受けました。

中学入学後のフィリピン留学の様子
先生とのマンツーマンレッスン

先生と1対1での指導を受けることで、英語の楽しさを思い出したようです。

中学入学後のフィリピン留学の様子
卒業式を兼ねたフライデーパーティでの発表

受験期間中は子供の苦しそうな姿を見ることも多く、この留学中に久々にのびのびと過ごし、子供の心からの笑顔を見たような気がしました。

過酷な中学受験も、むしろ大好きな先生との英語のレッスンが、子供の支えになっていたのかもしれません。

中学受験で英語を忘れる子と忘れない子の違い

このように我が子が中学受験終了後に心配していたほど英語力が落ちていなかったのは、読み書きの力がある程度ついていたからではないかと感じています。

英語の土台ができていれば、半年から1年程度の多少の空白期間があっても、英語を完全に忘れてしまうことはないとみています。土台というのは、読み書きを含めた4技能。「聞く・話す」だけでなく、「読む・書く」を通して文の構造や語彙の使い方を理解できる状態のことです。

英語を聞いたり話したりできるだけでは英語を忘れてしまいやすく、読み書きレベルを引き上げておくことが重要ですこれは、英会話だけでは身に付きません

具体的には、英検3級レベルの力。3級にギリギリ合格ではなく、英語を読んだり書いたりして自分の力で理解・表現できるレベルまで身につけておくこと。そうすれば、多少英語から離れても英語力を維持しやすく、感覚はすぐに戻ると実感しました。

ですので、中学受験に入る前までに、ある程度の土台を作っておくことが大切で、そのためには英語多読が非常に役立ったと思っています!!英語多読のマジックキーは個人的に強くおすすめしたいです。

中学受験 おうち英語 両立についてまとめ

中学受験とおうち英語の両立は、実際直面してみたら親にとっても思っていた以上に困難でした。
時間も体力も限られており、「両方を完璧にやらせたい」と考えるほど子供の負担が大きくなります。

英語との接点をできるだけ途切れさせないこと、そして受験までにある程度英語の土台が出てきていれば、多少英語に触れられない期間があっても英語を完全に忘れてしまうことはありませんでした。

「両立はできなくても英語力は守れる」

この言葉を、今まさに悩んでいる親御さんに届けたいと思います。中学受験をしながら英語を両立したいと考えている保護者の方の参考になれば幸いです。

親子が中学受験に奮闘しているご家族に、心からのエールを送ります。

中学生からの英語学習についても知りたい!中学以降の英語どうしてる?

中学生以降、英語学習に関するスタンスも徐々に変わってきています。今後も子供と一緒に思考錯誤しながら、その様子を発信していきますので、引き続きどうぞよろしくお願いします。

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