
最近よく聞くけど英検S-CBTとは?通常の英検との違いは?

小学生の子供でも受けられる??

S-CBTのデメリットは何かある?
英検の受験方式の1つであるS-CBT。比較的新しい方式なのでなじみのない方も多いかもしれません。S-CBTはひと言でいうと「パソコンで受験できる英検」です。4技能を1日で受験できたり、自分の都合に合わせて柔軟に試験日を選べるなどメリットも数多くあります。
小学生や中学生など子供のS-CBT受験も増えてきていますし気になりますよね。この記事では、従来型の英検との違いやメリット・デメリットなども詳しく解説します。

ちなみに、過去にあったCBT受験は2021年度からS-CBTに統合されています。CBT=S-CBTだと考えてください。
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英検S-CBTとは:パソコンで受けられる新しい英検
英検S-CBTは、従来の英検とは違い、パソコンを利用したCBT(Computer-Based Testing)方式の試験です。
従来の英検と同様に、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4つの技能を測るもので、英語力を総合的に評価できます。

自宅からのオンライン受験ではありません。全国にあるテストセンターに出向き、設置されているパソコンを使って受験します。
英検S-CBTは毎週のように開催されているため、英検取得の計画が立てやすいというメリットがあります。また、試験はパソコンで行われるため、従来のマークシート方式に比べ、タイピングやマウス操作に慣れた人にとってはスムーズに進められます。
英検S-CBTと従来型英検との違い
英検S-CBTと従来の英検は、試験の形式や問題内容がいくつか違う点があります。

英検結果としての効力に違いはありません。合格してもS-CBTだから資格証明として使えないということはないので安心してください!
主な違いは、以下になります。
S-CBT | 従来型英検 | |
---|---|---|
受験方法 | コンピュータで受験 ・選択肢をマウスでクリック ・ライティングは タイピング・手書きから選択 | 試験用紙に書き込み ・マークシート形式 ・ライティングは解答用紙に手書き ・スピーキングは面接官との対面 |
受験回数 | 4技能を1日で受験 | 1次試験と2次試験(スピーキング)の2回 |
日程 | 原則毎週土日 | 年3回 |
受験可能な級 | 準1級~3級 | 本会場1級~5級 準会場2級~5級 |
受験会場 | テストセンターを 自分で選択できる | 指定された近隣の会場 (本会場) |
検定料 | 下記参照 |
従来型は本会場と準会場で一部違いがありますので注意してください。準会場について詳しくは以下で解説しています。

それぞれの違いについて、詳しく説明します。
受験方法の違い
S-CBTと従来型英検の受験方法の違いは以下の通りです。
- 紙ベースかパソコン受験か
- スピーキング試験の方法
- 試験の終了タイミング
一番大きな違いは、受験方法の違いです。従来型の英検は紙ベースの試験で、問題用紙は紙の冊子となっており、マークシートに答えを記入します。S-CBTはパソコンで行われるため、マウスを使って画面上での操作が必要となります(ライティングのみキーボードで打ち込むか、手書きで紙に書くかを選ぶことができます)。
また、スピーキングに関しては従来型では面接官のいる部屋に1人ずつ順番に入室して、対面受けますが、S-CBTはスピーキングもコンピュータを使ったものになります。画面に現れる面接官の指示に従ってコンピュータに向かって回答するバーチャル面接となります。
さらに、英検S-CBTでは問題を解き終わった後、各自試験を終了して帰宅することができますが、従来の英検では試験時間が終了し、試験監督が問題を回収・確認するまで全員待機する必要があります。
受験回数の違い
従来型の英検では、1次試験(リーディング、リスニング、ライティング)に合格した受験者のみが、後日2次試験を受けるため、2日に分けての受験となります。
これに対し、S-CBTではリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4つの技能について1日で終了することが特徴です。

1日で終わるのはメリットですが、4技能並行して英検対策をしなくてはいけないのはちょっと大変ですね。
なお、S-CBTでは一番最初にスピーキングテストを受け、その後リスニング→リーディング→ライティングの順番での受験となります。
日程の違い
従来の英検は年に3回の実施ですが、英検S-CBTはほぼ毎週末開催されている点も大きな違いです。
受験可能な級の違い
S-CBTで受けられる級は3級以上準1級までです。すべての級に対応しているわけではないので、1級・4級・5級は従来型のみでしか受験できません。
試験会場の違い
英検の試験会場については、従来型の本会場では受験を希望する地域を指定することはできますが、細かい会場の指定はできず、受験票が送られてくるまでわかりません。
そのため、距離は近くても交通の便が悪い会場になってしまう可能性もあります。
S-CBTの場合は、テストセンターを自分で選んで申し込みをするので、利便性のいい会場を自分で選ぶことができます。
検定料の違い
各受験方式と級別の検定料は以下になります。
1級 | 準1級 | 2級 | 準2級 | 3級 | 4級 | 5級 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
本会場 | 11,800 | 9,800 | 8,400 | 7,900 | 6,400 | 4,500 | 3,900 |
準会場 | – | – | 6,400 | 5,700 | 4,700 | 2,900 | 2,500 |
S-CBT | – | 9,900 | 9,000 | 8,500 | 7,200 | – | – |
S-CBTは従来型の本会場試験よりも、数百円割高になります。安い料金で受けたい場合は、準会場での受験が一番安くなります。
英検S-CBTと従来型英検は併願可能
実は、英検S-CBTと従来の英検は併願することができます。つまり、同じ期間に複数回挑戦することが可能なんです。
従来型のみの受験だと年に3回しかチャンスはありませんが、S-CBTと併用することで、同じ級を最大で年9回受けることができます。

仕事や受験で英検取得が求められているなど短期間での合格を目指す場合は、S-CBTと従来型を併願することで受験の機会を増やすことができます。
詳しく説明します。従来型試験は、年3回の検定で同一の級は1回ずつしか受験できません。これに対し、S-CBTは原則毎週土日に開催されていますが、検定期間が設けられています。検定期間は4月~7月、8月~11月、12月~3月の3つですが、1つの検定期間内にに同じ級を2回まで受験可能です。
このため、従来型英検の3回と、S-CBTの期間内2回x3期間の6回で、年度内で最大9回受けられます。

学校・職場にスコアを提出することを求められている場合は、複数回受験して一番成績が良かったものを提出すればOKです。
従来型の英検は日程が決まってるので大事な用事と英検の試験日がかぶってしまう可能性もあります。そんな場合もS-CBTの方で受けられれば助かりますね!
英検S-CBTの難易度は?従来型英検とどちらが合格しやすい?
英検S-CBTも従来型の英検も、問題形式や出題範囲、採点基準は同じです(実施日が同じではないので同じ問題が出るわけではありません)。難易度レベルも同じなので、どちらのほうが難しいということはありません。

出題内容との相性もありますので、受験者はどちらかを簡単だったと感じることはあるかもしれませんが、それはあくまで個人の主観です。
ただ、S-CBTのパソコンでの受験に慣れていないと戸惑ってしまい、試験に集中できず力が発揮できないという可能性はあるかもしれません。
英検S-CBTは小学生でも受けられる?
英検S-CBTは、従来の英検と同様に年齢制限はありませんので、小学生でも中学生でも受けることが可能です。ただし、受験できるのは3級からで、4級・5級は実施されません。
小学生が受験する際には、パソコン操作が必要となりますので、事前に本番を想定した練習が必要になります。パソコン操作といってもライティング以外はマウスを使って選択肢をクリックするだけですのでそれほど難しいものではありません。
しかし、注意すべき点はいくつかあります。
- 画面上の問題を解くので紙とは感覚が違う
- S-CBT特有の操作のコツがある
- 問題にフリガナなし
- 保護者は試験室には入れない
問題が画面に表示されるため、紙に書き込みをしながら進めることはできません(「後で見直す」という機能はあります。また、リーディングだけは画面上で赤字やマーカーを入れることはできます)。
また、誤って終了ボタンを押してしまったらその場で試験が完全に終了してしまうなど、どちらかというと操作よりもS-CBT固有の問題の解き方を把握しておく必要があります。

特にライティングに関してはタイピングでの受験は子供にはリスクが高いと感じました。詳しくはデメリットのところで解説します。
そして、従来の英検では3~5級は問題文や指示にフリガナがふってあるのですが、S-CBTは3級でもフリガナはありません。問題文の漢字が読めないために間違ってしまうのはもったいないですので、低学年のお子さんは注意が必要ですね。
もう一点、従来型英検では、サポートが必要な子供の付き添いとして、試験開始5分前までは試験会場に入ることができますが、S-CBTでは同行できるのは受付までです。試験前であっても保護者が試験室まで入室することはできませんので注意してください。
ただ、タイピングに慣れていない場合でも、ライティングは手書きでの回答を選択することもがきます。このように事前にパソコンでの受け方を確認し、練習しておく必要はありますが、小学生でも中学年以上であればそれほど心配する必要はないのではないでしょうか。
従来型英検での親の付き添いについては、以下の記事をご覧ください。

また、4技能一気に受けるため全体の試験時間が長くなります。小学生の場合集中力が途切れてしまう可能性も考慮する必要があります。
英検S-CBTのメリット
このように、本会場受験と準会場受験にはさまざまな違いがあります。準会場で受験するメリットとデメリットについて説明します。
メリットはこちらです。
- 柔軟に計画を立てられる
- 日程・会場の変更ができる
- 1日で完結
- リスニングで雑音が入らない
- 終了したら退室できる
1つずつ説明します。
柔軟に計画を立てられる
S-CBTは原則として毎週末実施されていますし、会場によっては平日も実施されています。また、従来型英検とあわせて年間9回まで受けられるため、自分の都合に合うタイミングで申し込むことができます。
日程・会場の変更ができる
従来型の英検は、基本的に申し込み後の会場の変更はできません。しかし、S-CBTは同じ期間の締切り前であれば、会場や日程の変更ができるんです(空きがある場合)。
S-CBTの申し込み画面には以下のような注意書きがあります。級の変更や申し込みキャンセルはできないが、会場の変更と日程変更はできることがわかります。


申し込み後に都合が悪くなった場合に便利ですよね。
変更は英検公式サイトの「受験者マイページ」にある申し込み試験情報から簡単に行うことができますよ。
その他にも、ライティングの「タイピング」または「手書き」の選択も、申し込み後に変更が可能です。
1日で完結
スピーキングも含めた4技能の試験を1日で終了できるのは忙しい方にはメリットです。また、1次試験の合格発表⇒2次試験⇒2次試験合格発表というステップがないので、結果が出るまでの期間も従来型より短くてすみます。
リスニングで雑音が入らない
S-CBTでは音声はヘッドフォンで聞きます。従来型の会場での受験では、席の場所によっては周囲の音が邪魔して聞き取りにくいこともありますが、S-CBTはヘッドフォンを使用することで音声を聴き取りやすいかもしれません。
終了したら退室できる
S-CBTの場合はすべて解答したら「終了」ボタンを押して各自のタイミングで退室することができます。終了時間がくるまで待つ必要がないので、早く終われば早く帰ることができます。
英検S-CBTのデメリット
続いて英検S-CBTのデメリットについてもご説明します。
- パソコンでの操作に慣れておく必要がある
- 自己採点ができない
- スピーキングが独特
- 各回の定員が少ない
パソコンでの操作に慣れておく必要がある(タイピングは要注意)
パソコンでの操作となるため、事前に試験の形式に慣れておく必要があります。英検の公式サイトにも英検S-CBTの体験版があり、実際のS-CBTと同じようなデモを確認することができるので、雰囲気を掴むことができます。
ただし、特定の級の問題をサンプル的に解くかたちとなり、採点もされませんので、本番前の模擬試験としては使えません。

公式サイトの体験版だけでは不安な方は、S-CBTに対応した市販テキストで特典として独自のWeb模擬試験を提供しているものがありますよ。
特に注意したいのはライティングです。タイピングの方が早く入力できるし、手書きだとaとdなど紛らわしい文字が筆跡のクセによって誤認識されてしまう可能性などを考えると、タイピングの方がいいように感じます。しかし、子供がタイピングができるからと言って安易に選択するのは危険があると感じました。

小学5年生の娘が英検公式サイトの体験版を使ってライティングのタイプ入力を試してみました。パソコンでローマ字入力でのタイピングを日常的にしていて慣れているはずなんですが、それでも英字を打つのは感覚が違うようで打ちにくいと言って苦戦していました。
また、タイピング受験の場合は入力済みの文章をコピー&ペーストできる便利な機能があるんですが、もし文字を選択している状態で誤ってバックスペースなどを押してしまったら入力した文章が消えてしまいます。これは致命的ですよね。
娘には[Ctrl]+[z]キーで直前の操作を取り消すことで、消えた文字を元に戻せることを教えましたが、本人は自信がなかったようで手書き入力を希望しました。普段使っているキーボードとは操作感が多少違う可能性もあるため、タイピングか手書きかは慎重に選んだほうがよさそうです。
自己採点ができない
S-CBTではパソコンに問題が表示されるため、問題を持ち帰ることができず自己採点ができません。そのため、合格発表まで結果の憶測がしにくいです。
短期間で複数回受験する方など、手ごたえをつかみにくいまま次の申し込みをしなくてはいけないかもしれませんね。
スピーキングが独特
S-CBTのスピーキングは対面ではなくコンピュータに向かって話す形式となります。パソコン上の人物の問いかけに回答するかたちとなりますが、オンラインで画面の向こうに実際の面接官がいるわけではなくて完全にバーチャルです。人前だと緊張してしまうような方だと向いているかもしれませんが、やや独特な部分があります。
たとえば、質問に対する回答時間に制限があり、時間をすぎるとしゃべっている途中でも終了してしまいます。対面なら話し終わるまで待っていてくれるケースでも、容赦なく切られてしまいます。また、制限時間が画面上でカウントダウン表示されるため、焦ってしまうかもしれません。
そして、スピーキングはヘッドフォンをして画面に向かってしゃべるため、同じ試験室内にいる他の人の声が気になることもあります。反対に、自分の声も他の人の耳に入る可能性があるため、変に意識して力を発揮できない場合もあります。
各回の定員が少ない
従来型の英検(本会場)は自動で受験会場が割り振られるため定員はありませんが、S-CBTのテストセンターの定員数は少なめです。定員に達すると締め切られてしまうため、早めの申し込みが必要です。
英検S-CBTはどこで受けられる?申し込み方法を解説
S-CBTを受ける場合は、ウェブ申し込みのみです。従来型である書店申し込みなどはありません。公式サイトのS-CBTページから申し込んでください。

申し込みの際に顔写真をアップロードする必要がありますので、顔写真のデータを用意してください。
小学生のS-CBT体験談
この記事を執筆している時点では、小学生の子供はS-CBTでの英検受験は未体験です。近いうちに親の私と小学生の子供で一緒に受験する予定です。

実際に受けてみてわかることもありますしね。
受験しましたらこちらに体験談を追記しますね。
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子供の英検で合否を分けるのは「読解力」です。大人と違ってリスニングは比較的得意な子が多いのですが、リーディングパートの長文読解で苦戦する子が多いようです。
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小3の子供はオンライン英会話の英語多読レッスンで英語がスラスラと読めるようになり、英検3級に合格しました。よければ以下の記事を参考にしてみてくださいね。
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